ハイレゾ録音研究所

ハイレゾ録音研究所

蓄音機からレコード、CD、ハイレゾ・・・
モノラルからステレオ、サラウンド・・・
記録媒体の変遷と共に録音技術も移り変わってきました。
その中では新しく生まれたものもあれば失われたものもあります。

ハイレゾの普及が加速しつつある今、私たちソフトウエアの供給側に求められているのは新しい媒体の特性を見極めると共に、それに合った録音の手法の開発であると考えます。

このプロジェクトは
有限会社VIVID productions
株式会社スタジオトーンマイスター
2社の共同プロジェクトとして運営され、その成果をソフトの受け手であるリスナーの皆さまと共有しようとする試みです。

Recording Report
第一回

ゲスト
宮崎友紀子
ホブソン・アマラウ

2015/06/04 microphone/equipment check @Studio TonMeister SETAGAYA
先ずは音の入り口であるマイクロホンの検証からスタートしました。
レコーディングスタジオ定番マイクからJazzの録音で好まれるマイク、あまり使用頻度はないけれどハイレゾに向いているのではないか?と思われるマイクをボーカルからチェックしていきました。
ハイレゾという観点から真っ先に候補に上がったSANKEN CO-100Kは特性表に示されているように高域の特性が近接目の使用では目立ってしまい、今ひとつの結果になりました。
次に試された同社のSANKENのCU-41はスタジオにいたミュージシャン、スタッフが一同顔を見合わせるほど音楽にフィットしたサウンドと実在感でボーカルマイクとしての採用が決定しました。
ちなみに第2の候補はNEUMANN M-50bで、透明感のあるサウンドが素晴らしかったのですが、中高域の張り出しが少しきになるということで次点となりました。

ギター用のマイクは難航しました。
ボーカル用のマイクと同じSANKENCU-41からスタートしました。
確かに良いサウンドをしているのですが、ボーカルとの絡み方でいうと少しギターが主張しすぎなのと、ギタリストのホブソンからもう少し温かみのあるサウンドが欲しいというリクエストもあり、他のマイクを試すことにしました。
リボンマイクから真空管マイク、8本のマイクを試した結果AKG C-414EBが選ばれました。
C-414は30年以上前の発売時期から様々なバージョンが発売されているマイクですが414EBはその中でも初期型で回路構成がシンプルな分、温かみがありながらキレの良いサウンドが特徴のマイクです。

マイクプリもJohn Hardy M-1Millenia Media HV-3DAPIをチェックしましたが温かみのあるサウンドをということでJohn Hardy M-1が採用となりました。

チェックの中で新しい発見があったのは近接では上手く使えなかったSANKEN CO-100Kをボーカル、ギターから少し離してセットすることでとても良い空気感を演出してくれることです。

結果
Vocal SANKEN CU-41 SANKEN CO-100K
Guitar AKG C-414EB  SANKEN CO-100K
Mic Pre John Hardy M-1
というラインナップとなりました。
[名称未設定]

 

 

 

 

 

 

 

2015/06/26-27 Recording @Studio TonMeister SETAGAYA

前回のチェックでは使用できなかった384KHz32bit仕様のPyramixの登場です。
インターフェイスとなるAntelope Audio Eclipse 384の仕様の都合で4本のマイクとリバーブをストレートにミックスしたものを収録する、いわゆるマスター・レコーダーとしての使用になりました。
プレイバックを聞いて長年スタジオで仕事をしているスタッフもびっくりしました。
ミックスしながらコンソールで聞いていた音との違いがありません。
これまではレコーダーそれぞれにサウンドの特徴があり、それを議論することが多かったのですが、「入れたものがそのまま出てくる」という経験は初めてかもしれません。

諸々準備が整った後は2日間のんびりとレコーディングです。
今回レコーディングでのこだわりは、ヘッドフォンのモニターについての議論があったことでしょうか?
ヘッドフォンによるモニタリングは、録音されている音を聞きながら演奏できるというメリットはありますが、残念ながらマイクロホンもミュージシャンが発している音を100%ピックアップしているわけではないので、ボーカリストとギタリストがお互いのニュアンスを本当の意味で繊細に聴き合っているとは言いにくい状況が発生してしまいます。
そこで今回は二人に同じブースに入ってもらってヘッドフォン無しで演奏してもらいました。
すると不思議なことにとても柔らかなサウンドがスピーカーから流れてきます。

懐かしいけれど洗練された、それでいてボサノバらしいサウンドの制作を楽しめた2日間でした。

ハイレゾへのトライはまだまだ始まったばかりですが、これまで当たり前だったと思っていたことを一つ一つ再確認することによってこれまで聞いたことのないサウンドに巡り会えるような予感がしています。
その中にはCDの登場以来忘れ去られていた手法もあるかもしれませんし、新しいメディアの可能性に挑むべくして出てくる手法もあるかもしれません。
これまで以上に瑞々しい音楽がリスナーの元に届けられる時代が到来しています。

 

 

 

 

 

 

 

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